発達障害をもつ子どもたちが、一般の学業をこなし卒業に至るまでは、簡単な道のりではありません。そこから先の就職に関しては、それまでの学校機関とは異なり、社会人として自立を養っていく場となる訳ですから、多少の困難や挫折は覚悟しなくてはなりません。新しい環境に飛び込む事は、誰しもが不安を抱えるものですが、発達障害がある人々にとっては、未知の世界に入り込む事が極端に困難な人もいます。そういった事情を知るばかりの人々であれば、適切なサポートも受けられるかもしれませんが、社会で自立するという事は、そうでない環境と接する機会も増える事なのだと、当人が認識できていれば良いですが、そうでない場合は、パニックを起こしてしまう事も考えられます。発達障害をもつ人が職場環境に慣れ親しむ事は、困難なケースが多いのが現状です。そういった障壁を乗り越えていく為には、まず、発達障害の「特性」と、職種に活かせる「才能」の見極めが重要となります。「障害」というハンディキャップは、時として「才能」というメリットを包んでしまう事もあります。そのような職種、職場環境を選ぶ事が、発達障害をもつ人々には必要な就労選びとなります。発達障害における「特性」と「才能」のバランスを見極める難しさが彼らの自立を担っているのです。